IPアドレスとは?初心者に分かりやすく紹介
IPアドレスとは、初心者にも分かりやすく説明すると、パソコンやタブレット、スマートフォン、ルーターなど、インターネットに接続する機器を識別するための番号です。
インターネット上にあるパソコンやスマートフォンなどの端末は、それぞれ、個別のIPアドレス(番号)を持っています。
個別のIPアドレスを持つことで、自分の端末と通信相手を特定し、正しい通信を行うことができます。
▼インターネット網とIPアドレスの関係図
なお、IPアドレスの「アドレス」は、「あて先、あて名、住所」という意味です。
インターネットで、見たいホームページのサーバーの「あて先」「住所」と考えると、IPアドレスは理解しやすいと思います。
もしも、IPアドレスがないと、世界中にある数多くのパソコンやスマートフォンなどの端末は、インターネットに接続ができなくなります。
目次
IPアドレスには「種類」がある
IPアドレスの理解を深めるためには、IPアドレスの種類として、
- 「グローバルIPアドレス」と「プライベートIPアドレス」
- 「IPv6」と「IPv4」
- 「動的IPアドレス」と「静的IPアドレス」
といった3つの種類について理解しておく必要があります。
ここでは、上記のようなIPアドレスの種類を理解することで、IPアドレスとは、どのようなモノかの理解を深めていきましょう。
「グローバルIPアドレス」と「プライベートIPアドレス」の違いとは?
「グローバルIPアドレス」と「プライベートIPアドレス」の違いとは、何か、それぞれのIPアドレスの内容を知ることで違いが理解できます。
グローバルIPアドレスとは?
グローバルIPアドレスとは、「パブリックIPアドレス」とも言われ、インターネットに接続する機器に必ず利用されるIPアドレスです。
この為、同じグローバルIPアドレスは、世界中で重複することはなく、必ず1台の機器に対して、1つのIPアドレスが割り当てられます。例えるなら、「電話番号」や「住所」などと同じようなモノです。
一般的に、プロバイダーと契約することで、ルーターに、グローバルIPアドレスが割り振られます。
プライベートIPアドレスとは?
プライベートIPアドレスは、「ローカルIPアドレス」とも言われ、自宅内や会社内のネットワークで使われるIPアドレスです。
具体的には、一般家庭などでは、「192.168.1.1」や「192.168.0.11」など、「192」で始まるIPアドレスが、プライベートIPアドレスとして使われるケースが多いです。
なぜ、プライベートIPアドレスが存在するのか?
世界中にある全ての端末にグローバルIPアドレスを割り振ると、IPアドレスの数が足りなくなります。その為、グローバルIPアドレスは、インターネット回線の自宅からの出口にあるルーターに1つ割り振ります。
そしてルーターの内側にあるパソコンやスマートフォン、タブレットなどの端末には、プライベートIPアドレスを割り振ります。
このようにすることで、IPアドレスの枯渇を防ぐことができます。
「IPv4」と「IPv6」の違いとは?
ここでは、IPアドレスの種類として、IPv4とIPv6の違いについて紹介します。IPv4とIPv6の違いは、IPアドレスの数が違うといった点です。
IPv4
「IPv4」は、現在、広く流通しているIPアドレスです。IPv4のIPアドレスは、「192.168.1.2」と表記され、その数は、「4,294,967,296(約43億個)」が最大数です。
約43億個と聞くと、非常に大きな数だと思われがちですが、現在の世界では70億人を超える人口がいるので、単純に1人が1個のIPアドレスを割り当てることができません。
この為、「IPv4」は、IPアドレスが足りなくなることが問題となっています。
IPv6
「IPv6」は、IPv4のIPアドレスが足りなくなることの対策として、新しく作られたIPアドレスの規格です。
具体的なIPv6のIPアドレスの例としては、「fd10:11ab:123:1:2b:2bxf:fa6a:a8s8」といった感じになります。
IPv6のIPアドレスの数は、「340,282,366,920,938,463,463,374,607,431,768,211,456個」となり、実質的に無限とも言えるぐらいのIPアドレスを使うことができるようになります。
「動的IPアドレス」と「静的IPアドレス(固定IPアドレス)」の違いとは?
ここでは、IPアドレスに関する説明として、動的IPアドレスと静的IPアドレス(固定IPアドレス)の違いについて紹介します。
動的IPアドレス
動的IPアドレスとは、「一定時間の経過」「WEBの切断、再接続」によって、グローバルIPアドレスが変わる形式のIPアドレスです。
具体的なインターネットを使うケースとして、
- 最初にインターネットに接続 : 172.10.155.10を取得
- 一定時間の経過後 : IPアドレスを解放
- 一定時間の経過後にWEBに再接続 : 172.10.1.22を取得
- WEBの切断 : IPアドレスを解放
- WEBの切断後に、再接続 : 172.10.11.80を取得
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この様に、一定時間ネットに接続しない場合やWEB接続を切断した場合には、IPアドレスが変わるのが「動的IPアドレス」です。
一般的に、家庭でインターネット回線を引いて、接続する場合は、動的IPアドレスが利用されているケースが多いです。
動的IPアドレスのメリット
IPアドレスは、プロバイダーによって自動的に割り振られるので、ネット接続していない時は、グローバルIPアドレスが解放され、他のユーザーに使うことができます。
このように、今、インターネットに接続しているユーザーにのみIPアドレスを割り振ることができるので、IPアドレスの枯渇に対応できます。
ただし、インターネットを使って、外から自宅のパソコンにアクセスする場合は、自宅のグローバルIPアドレスが変わるので、アクセスできなくなるデメリットがあります。
静的IPアドレス(固定IPアドレス)
静的IPアドレス(固定IPアドレス)とは、「静的」という言葉の通り、変動しないIPアドレスのことです。
例えば、「172.10.155.10」などの特定のグローバルIPアドレスが割り振られている場合、「一定時間の経過」「WEBの切断、再接続」した場合でも同じ「172.10.155.10」が使用できます。
静的IPアドレスの具体例としては、
- 最初にインターネットに接続 : 172.10.155.10
- 一定時間の経過後に接続 : 172.10.155.10
- WEBの切断、再接続 : 172.10.155.10
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この様に、IPアドレスが変わらないのが「静的IPアドレス」です。
静的IPアドレスは、メールサーバーやWEBサーバ、社外から会社内のパソコンにインターネット経由で接続する場合など、IPアドレスが変わると不具合がしょうじる場合に使われます。
ただし、固定のIPアドレスを専有するので、一般的に、動的IPアドレスと比べると費用が高くなるケースが多いです。
IPアドレスの割り当て・管理のしくみ
IPアドレスは、上記の図の通り、「全世界のIPを管理する組織」が一番上にあります。その下に、「世界の各地域を管理する組織」があり、さらに、その下に、各国のIPを管理する組織が存在します。
世界のIPを管理する組織
IPアドレスの管理、割り当てについては、「IANA(ICANN)」という組織が、世界全てのIPアドレスを管理しています。
世界の各地域別にIPを管理する組織
IANA(ICANN)の組織の下には、世界の地域ごとのIPアドレスを管理する
- APNIC(アジア、太平洋地域を管理)
- ARIN(北アメリカを管理)
- RIPE-NCC(ヨーロッパ、中東、中央アジアを管理)
- LACNIC(ラテンアメリカとカリブ海地域を管理)
- AfrNIC(アフリカを管理)
などの管理組織が存在します。
日本のIPを管理する組織
さらに、「APNIC(アジア、太平洋地域を管理)」の組織の下には、各国のIPアドレスを管理する組織が存在します。日本の場合には、「JPNIC」が日本のIPを管理しています。
JPNICが、各プロバイダーなどの企業に、日本国内のIPアドレスを割り振っています。そのうえで、各プロバイダーが使える範囲のIPアドレスを、ユーザーとなる自宅や会社に割り振られてIPアドレスが使われます。
まとめ
ここでは、「IPアドレスとは?」といった基本的な内容を紹介しました。